ねぇ知ってる?イタリアワイン産地の名前の由来

2018年7月23日

イタリアでは74個のDOCG、332個のDOC、そして数えられないIGTが存在しています。それぞれの名前は地域や町を示していますが、有名なワイン産地の名前はどこからきているのでしょうか?いくつかご紹介させていただきますので、今度、飲み会のときにでも豆知識としてぜひお使いください!

Barolo(バローロ)

誰もがご存知の赤ワインの王様、ネッビオーロ100%のワイン。名前はバローロ市に由来していますが、そもそもなぜバローロ(市)というのでしょうか?それは、「bas reul」(低い場所)という昔のケルト語からきているようです。Barolo市は周りの町と比べて少し標高が低いため、この名前になったとのことです。

Roero(ロエロ)

ネッビオーロ主体の赤とアルネイス主体の白を造るピエモンテの産地。タナーロ川を渡って、ランゲのちょうど北にあります。名前は中世期にこの地域を支配していたロエロ家からきています。ロエロ家の紋章であった銀の車輪は現在でもロエロ州のConsorzio(ワイン品質保護協会)のシンボルに使われています。

Valpolicella (ヴァルポリチェッラ)

アマローネ、レチョートなどを造っているヴェネトの地域ですね。名前の由来にはいろいろな説がありますが、ワイン愛好家の中で最も人気があるのはラテン語からの「Vallis - poli - cellae」=「ワイナリーの多い谷」という説です。その一方で、「Vallis Pulcellae」(乙女の谷)または古代ギリシャ語の「Polyzèlos」(果実の多いところ)という言葉から由来している名前だという人たちもいます。

Franciacorta(フランチャコルタ)

イタリアの一番有名な伝統方式スパークリングワイン。現代のイタリア語では「Francia」=フランスですが、どうやらこれは関係ないようです。ラテン語で「Curtes francae」は「税金免除の宿泊」という意味。中世期、この地域に税金を免除された修道院が多く集っていたため、この地域の名前となったようです。

Sassicaia(サシカイア)・Ornellaia(オルネッライア)・Solaia(ソライア)・Lupicaia(ルピカイア)

これは産地の名前というよりもブランド名ですが、なぜスーパータスカンには「-aia」がこんなに多いのでしょうか?この「-aia」は「ところ・場所」の意味です。そのため、『石(Sassi)の場所(-aia)』=Sassicaia(石が多い場所)、『太陽(Sol)の場所(-aia)』=Solaia(太陽の光を浴びる場所)、『狼(Lupi)の場所(-aia)』=Lupicaia(狼が多く住んでいる場所)といった意味の地名となっているのです。OrnellaiaのOrnellaは木の種類(トネリコの木)なので、「トネリコの木が多い場所」という意味の名前です。

著者紹介

Ettore Donadeo(エットレ・ドナデオ)

Ettore Donadeo(エットレ・ドナデオ)

アンコナ、マルケ州、イタリア生まれイタリア育ち。使用言語はイタリア語・英語・フランス語・関西弁。イタリアの大学で日本語学科を専攻。大学時代に1年間日本に交換留学した際に日本文化に魅せられ、卒業後2008年に再来日。日本とイタリアをつなぐ仕事がしたいと思い、ワイン業界へ転身。WSET Level2からワインの勉強を始め2017年にDiplomaを取得。2017年までワイン専門の酒屋で経験を積み、その後キャプランワインアカデミーに入社。

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