2023年1月5日
アイスワインは、ドイツの有名なスタイルのワインです。その起源は古く、紀元44年には古代ローマの作家プリニウスが既にこのワインについて語っていました。
アイスワインを造るには、ブドウを樹につけたまま凍らせる必要があります。凍らせるためには気温がマイナス7度以下まで下がらなければならず、12月もしくは1月に収穫を行うケースも少なくありません。その際、ブドウの実の中にある果肉の水分が凍ってしまうため、ワイナリーで圧搾するときブドウの実に含まれる水分は凍ったままでプレス機に残り、水より凝固点の低い甘い果汁だけが高濃度のマストとして得られます。
アイスワインを造るにはブドウを長くブドウ機につけたままにしないといけないため、リスクが伴います。また、暖かすぎる年はアイスワイン自体造ることができませんし、寒冷地で冬に収穫を行うことも決して容易ではありません。
しかし、できあがったワインの品質は高いです。生産者、産地、ブドウ品種によってその香りや味わいは異なりますが、いずれも甘く、酸味が高く、ストーンフルーツやトロピカルフルーツを思い出す強い風味を見せてくれます。ブドウに含まれる水分のほとんどが失われるため、生産量は少なく、そのためアイスワインは通常小瓶でとても高い価格で売られています。
著者紹介
Ettore Donadeo(エットレ・ドナデオ)
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WSET認定 Level4 Diploma
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Wine Scholar Guild Bourgogne Master-Level
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DWG認定ドイツワイン上級ケナー
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JSA認定 ワインエキスパート
アンコナ、マルケ州、イタリア生まれイタリア育ち。使用言語はイタリア語・英語・フランス語・関西弁。イタリアの大学で日本語学科を専攻。大学時代に1年間日本に交換留学した際に日本文化に魅せられ、卒業後2008年に再来日。日本とイタリアをつなぐ仕事がしたいと思い、ワイン業界へ転身。WSET Level2からワインの勉強を始め2017年にDiplomaを取得。2017年までワイン専門の酒屋で経験を積み、その後キャプランワインアカデミーに入社。