2023年3月23日
「クラレテ」とは、スペイン、特にカスティージャ・イ・レオンで造られるロゼワインのスタイルです。このスタイルは非常に独特で、通常のロゼワインの製法とは異なります。
通常、ロゼワインは直接圧搾するか、短時間のマセラシオンで造られますが、クラレテは黒ブドウと白ブドウを一緒に発酵させ、赤ワインのように発酵の最後まで果皮にマセラシオンをさせたままにしておくことで造られます。その際使用するブドウは、25%以上が赤ワインでなければならないと定められています。
クラレテの最も重要なアペラシオンは「シガレスDO」で、通常はテンプラニーリョ(地元ではチェンシベルと呼ばれる)とベルデホのブレンドで作られています。他の地域では、ヴィウラ、ガルナッチャ、ボバル、アルビロ、マルヴァジアなどの品種も使われています。
淡いピンク色で豊かな果実味を持ち、白ワインのような繊細さと、黒ブドウの果皮から生じる骨格も合わせ持つのが「クラレテ」の典型的なスタイルです。
スペインワインについてじっくり学びたい方には「Spanish Wine Scholar」講座がおすすめです。
著者紹介
Ettore Donadeo(エットレ・ドナデオ)
-
WSET認定 Level4 Diploma
-
Wine Scholar Guild Bourgogne Master-Level
-
DWG認定ドイツワイン上級ケナー
-
JSA認定 ワインエキスパート
アンコナ、マルケ州、イタリア生まれイタリア育ち。使用言語はイタリア語・英語・フランス語・関西弁。イタリアの大学で日本語学科を専攻。大学時代に1年間日本に交換留学した際に日本文化に魅せられ、卒業後2008年に再来日。日本とイタリアをつなぐ仕事がしたいと思い、ワイン業界へ転身。WSET Level2からワインの勉強を始め2017年にDiplomaを取得。2017年までワイン専門の酒屋で経験を積み、その後キャプランワインアカデミーに入社。