WSET Level2をとるべきか?

2024年9月13日

WSET Level2をとるべきか?

レベル2は飛ばして、レベル3からスタートして良いか、ご質問をいただくことがあります。特に、JSA認定ワインエキスパート/ソムリエや同等の資格を取得しているという理由で、初級のレベル2を受ける必要がないと考える方が多数いらっしゃいます。しかし、本当にレベル2をスキップしたほうが良いのか、以下吟味します。

JSAとWSETの考え方の違い

JSAの主要な目的は飲食サービス業において、ワインリストの作成、在庫の適切な管理、顧客へのきめ細かいペアリングの提案など、一流のサービスマン(ソムリエ)を育成するという所に比重を置いています。このような場面では、さまざまな顧客のニーズに答えるための幅広い知識と提案力が必要となるため、暗記重視の試験構成になっています(サービスvs理論中心の試験につきまして: https://www.caplan.jp/wine/column/51.html)。対して、WSETは輸入会社や卸業に必要なマーケティングや流通の理論、ジャーナリストやワイン販売員に必要な原因と結果を理論的に考え説明するスキルに重きを置いています。

レベル3理論で苦労する学習者

JSAや暗記スキルを受講者は、レベル3の選択問題において好成績を修める事が多いのに対して、配点の多いショート・エッセイで得点が足らず、セオリーで落ちてしまう方も多数います。その主な理由は、上述したようなWSET的な考え方が身についていない事に起因します。ワインのスタイル、価格、品質を栽培や醸造の観点から論理的に紐づける書き方が必須となるため、事実の羅列だけでは点数がもらえません。

ファウンデーションであるレベル2

ファウンデーションとは土台という意味で、レベル2はその後のレベル3、ディプロマおよびマスター・オブ・ワインの基礎をなす最重要部分です。例えば、主要な品種の特性、栽培や醸造方法、気候、土壌など、複雑に交錯する要因を大枠でシステマティックに整理し、どのように品質、スタイル、価格に作用しているかを考え、WSET的な思考方法を学びます。例えるなら、レベル2がWSET界の足し算や引き算だとしたら、レベル3や4は因数分解です。レベル2という最も基礎的な土台の上に応用レベルの3と4があると理解いただければ、レベル2の重要性がわかるかと思います。

結局、レベル2は必要か

レベル2は必須資格ではありません。上述したような、WSET的な理論的に考える習慣が身についてる方は、敢えてレベル2を受ける必要はないかもしれません。しかし、今後レベル3やレベル4を目指される方や、WSET的な思考方法が身についてない方は、レベル2から受講すすることを強くおすすめします。実際、経験者がレベル3を受けて合格できず、レベル2に戻られる方も多くいらっしゃいます。
キャプランワインアカデミーでは、WSET1~4まで攻略する思考方法、テイスティング技術や論理的な記述方法を、経験豊かな講師陣が伝えています。
少しでも迷いを感じた方はレベル2へ応募いただけますと幸いです。

応募は以下のリンクから!

著者紹介

Thomas Seiya Figoni(トーマス・フィゴーニ・聖也)

Thomas Seiya Figoni(トーマス・フィゴーニ・聖也)

  • WSET認定 Level4 Diploma

  • JSA認定ワインエキスパート

  • JWCジャッジ

日本生まれ、兵庫県育ち。中学3年に神戸のインターナショナルスクール(カナディアン・アカデミー)に転校、IB(インターナショナル・バカロレア)取得。カナダ、ブリティッシュコロンビア大学リベラルアーツ卒業。IT業界に入社後、ワインに魅せられ、レストラン/ワインバー・アルバイト、ワインショップ勤務、ギリシャワインインポーター勤務を経て、2024年6月にキャプランワインアカデミー入社。WSET講師、ディプロ・マスタディーセッションなどの他に、講座の企画運営など担当。MWを目指しています。

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