2018年9月25日

今回は『バローロ』生産者のマルコ・パルッソ氏をインタビューをさせていただきました。ワイナリーの歴史、醸造に対しての考え方、バローロクリュの特徴など、さまざまなお話を伺いながら、イタリアらしい情熱を見せていただきました!

This time our guest is the energetic Marco Parusso of Parusso winery in Barolo. We asked him about the history of his winery, his philosophy, his wines, the past and the present of Barolo. The interview is in Italian with Japanese subtitles.


インタビュー全文はこちら

こんにちは!日本へようこそ!東京へようこそ!せっかくお越しいただいていますので、少し質問させていただきたいと思います。

もちろん。

まずパルッソワイナリーをご紹介いただけますか?

現在4世代目ですね。私のひいおじいさんとおじいさんは2ヘクタールを持っていて、1970年代からお父さんが最初にワインを造ることになりました。その前は牧畜者でしたね。

私は1986年にアルバ市の醸造学校を卒業しましたが、特に将来のことをあまり考えませんでした。実は私はワインが好きじゃなかったのです。そのころ美味しいワインはあまりなかったですね。ワインはほとんど美味しくなかったです。でも友人の医者のおかげで、1985年、1986年にはおいしいブルゴーニュワインを初めて知ることになりました。そのおかげでワインを造りたくなりました。

バローロの醸造には、現代主義と伝統主義という2つの考え方があると聞いています。パルッソはどちらのスタイルですか?

昔から「ランガ・イン」という革命的なワイン生産者団体のメンバーとして活躍しています。なので、私はまず現代主義の時代がありました。それはとても大切で革命的な段階でしたが、その後は私だけの道を歩みだして、伝統を少し見直しました。今はですね・・・

一言でいえば?

一言でいうと、自分が「現在人」だと思っています。「現在人」といのは、昔から伝わったいい知識を活かしながら、現代のとても役に立っている技術も使う人です。両方を活かしてさらに複雑な、さらに優れたワインが造れます。私が30年前から目指しているスタイルは「Vino seta(シルクのようなワイン)」です。Vino Setaはリッチでありながら、飲みやすいワイン;心が癒される、消化しやすく健康にもいいワインです。

今日のセミナーではMenzioni Geografiche Aggiuntive(バローロのクリュ)を3つ試飲させていただきます:ブッシーア、モスコー二、マリオンディーノ。それぞれのスタイルはどう違いますか?

マリオンディーノは1901年にひおじいさんが購入しました。当社の一番古い葡萄畑で、カスティリョーネ・ファレットのテロワールを持っています。ブッシーアにとても近いですが、それより少し寒いです。砂質の土壌も少し冷たいので、ワインは割と硬くてスパイシーです。超~長期熟成のワインですよ。タンニンが少しざらざらしますが、見事な個性があります。

ブッシーアはもっと暖かいですか?

ブッシーアはとても近いですが、丘の向きが違います。もっと暖かく、風雨にさらされない場所です。石灰岩の多い土壌です。ブッシーアはシルキーなタンニンのワインを造れますので、自分の考え方にちょうど合います。

ブッシーアのワインは女性らしいく、余韻が長く、複雑です。飲むと、いつもびっくりさせられます。見事なエレガンスを示してくれます。モスコーニはモンフォルテ市の南部にあります。セッラルンガの手前ですね。暖かいテロワールです。土壌は暗く、石灰と砂質が少ないですが、暗い粘土質が多いです。こちらからはもっと男らしいワインが生まれます。タバコ、皮、土のような味。オレンジのような、柑橘のようなヒントも特徴です。

ソーヴィニヨンブランから白ワインも造っていますよね。なぜソーヴィニヨンブランを選んだのですか?

私にこの葡萄はとても大切です。最初に植えたのは1987年、この仕事を始めたばかりでした。そのとき、白い葡萄を栽培する人がほとんどいなかったです。シャルドネを持っていた人は所々いましたが、私たちの土地はブルゴーニュより肥沃です。それで、シャルドネを使うと重たすぎるワインができてしまいます。少し実験してみたら、もっとエレガント、繊細であるソーヴィニヨンブランが私たちの肥沃な土地によく合うとわかりました。

しかし、ブルゴーニュらしい考え方を持って造ったソーヴィニヨンブランです。私のソーヴィニヨンブランは全てブルゴーニュらしい考え方で造っています。とにかく、必ず完熟した葡萄しか使いません。私のワインの特徴は「完熟した果実」の味です、「草」の味はしません。

そして、日本にまでパルッソのワインがこうして広がってきましたね。

そうですね、だいぶ前から日本で活躍していますね。

日本はどうでしょうか?

日本の文化はとても魅力的です。細かいことを気にする、他人を尊重する、相手に気を配る、純粋さを大切にする文化です。それは私の働き方にはちょうど合います。日本では頑張って、相手を尊敬する人は成功できると思います。私も30年前から同じ考え方の基でワインを造っているので、私のワインは日本人にはわかりやすいと思います。

どうもありがとうございます。最後にメッセージはありますか?

乾杯!バローロにも乾杯!がんばろう。少なくてもいいから、いいワインを飲んでください。ありがとうございます。

著者紹介

Ettore Donadeo(エットレ・ドナデオ)

Ettore Donadeo(エットレ・ドナデオ)

アンコナ、マルケ州、イタリア生まれイタリア育ち。使用言語はイタリア語・英語・フランス語・関西弁。イタリアの大学で日本語学科を専攻。大学時代に1年間日本に交換留学した際に日本文化に魅せられ、卒業後2008年に再来日。日本とイタリアをつなぐ仕事がしたいと思い、ワイン業界へ転身。WSET Level2からワインの勉強を始め2017年にDiplomaを取得。2017年までワイン専門の酒屋で経験を積み、その後キャプランワインアカデミーに入社。

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