ワインの流通網の中心であるロンドンが本拠地
イギリスの資格であるWSETを選びました

祖父が築地寿司岩(すしいわ)を大正時代に創業しまして、自分は三代目。2010年に江戸前鮓(※1)とワインをひとつのテーマにしたお店を始めることになり、銀座壮石(そうせき)を開業。お店を始めることが決まった時に、ワインを提供できるようにと勉強を始めました。実際にワインスクールを調べて探していた時に、日本だけでなく世界標準の国際資格であり、ワインの流通網の中心であるロンドンを本拠地にしているイギリスの資格「WSET」を取り入れているキャプランのワインアカデミーがいいと思い選びました。

WSETの魅力

 

キャプランのワインアカデミーは、とても知見が深い方々が先生としていらっしゃる、そこは大きな魅力の一つです。最新の内容(トレンド)も捉えながら、かつロジカルなテイスティングの考え方を合わせて教えて下さり、その熱心さと知識の幅広さにいつも驚かされます。
WSETはテイスティングや考え方もロジカル。論理的で一貫性があって飲み込みやすいし、とらえやすい。品種の個性や背景を考慮し、結論に導いていくという考え方がおもしろいです。また、本国イギリスでカリキュラムが定期的に見直され改訂されていることも魅力のひとつ。ワインは時代や文化、また気候変動などによって常に変化していくもの。WSETは、今のワインの潮流や市場を見て、やり方・在り方を変えていっている。そこがとてもいいと思います。

今、世界のソムリエコンクールなどでも、WSET的なロジカルな表現になってきていて、出場されているソムリエさんもそのような答え方になってきています。ワインの捉え方や表現の仕方が、世界的にWSET的になってきているのではないかなと感じます。感覚だけでなく、みんなが共通言語として評価の仕様が一律に統一されてきている。そういった意味でも、これからもっとWSETが認知されていくのではないでしょうか。

江戸前鮓とオーストリアワイン

和食のうま味を引き立ててくれるワインを探っていたときに、オーストリアワイン(※2)に出会いました。オーストリアワインは、単体ではそんなに主張が強いワインは少ないのですが、料理と合わせると、味わいをひきたててくれたり、うま味が増したり、余韻が長くなったり、そういったワインがすごく多い。飲んでみるとやっぱり やさしいし、やわらかいんですよね、みんな。多分その理由の一つに、「自然派ワイン」先進国ということが挙げられると思います。土地の個性や地場品種を大切にするワイン作り。余計な手を加えないという作り方。テロワールを大切にする考え方。和食や江戸前鮓というのも、産地や食材、味わいをとても大切にしている。そういった意味でも、オーストリアワインと相性がいいのだと思います。

 

和食とオーストリアワインを発信していきたい

今後は、せっかくこうしてワインに触れ合えて、ワインの表現方法や評価の仕方も学んだので、教えていただいたスキルをベースにして、和食や江戸前鮓との相性の良さを通じて、オーストリアワインを広めていきたいと思っています。まだ和食や鮓とワインは、そこまで浸透しているわけではないので可能性もあります。自分自身もっと知識を深めたいと思うし、みなさんにももっと鮓とワインの組み合わせを知っていただきたいです。いろんなマリアージュがあるのに、それを知る機会が少ないだけではと思います。和食と江戸前鮓を仕事にもしていますし、大好きだからこそ、それに合うワインをお客さんに紹介する機会を、今後さらに増やしていきたいですね。

これからワインを学ぼうと思っている人へ

ワインを学ぶことは、すごく敷居が高いと感じている人が多いと思いますが、そういった意味で、僕は間口を広くしてくれているのがWSETだと思っています。どんな人でも、レベルが違う人でも、同じワインを評価できるようになる。楽しみ方はいろいろありますが、WSETのフォーマットは世界でひとつ。誰でもどんな人でも、ワインを深く知れる、理解できるようになる、面白みを感じられる。だからこそ初心者の人たちにも、もっと気軽にワインを学んでもらいたいなと思います。ワインはおもしろいと、沢山の人たちに知っていただきたいと思います。


1 江戸前鮓:古代から伝わる「馴れ鮓(主に魚を塩と米飯で発酵させた保存食。フナ鮓など。)」と異なり、江戸時代に気の短い江戸っ子が早く食べたいという思いから発明したといわれる「早握り(酢飯とタネを合せて手で握ることで馴れさせる)」が江戸前鮓の型の始まりといわれる。また、目の前の江戸前の海(現在の東京湾)でとれた豊富な魚介類を提供したこと、冷蔵技術の無い時代に酢〆にしたり醤油漬けにしたりと、タネにさまざまに「仕事」を加える技法をも含めて江戸前鮓と言われる。

2 オーストリアワイン: グリューナー・フェルトリーナー(Grüner Veltliner)を筆頭とした多種多様な地場品種を中心としたワイン生産国で、国の東側に生産地が集中している。ドナウ川渓谷に面した世界遺産のヴァッハウ渓谷などは世界を代表する白ワインの銘醸地。また、近年では、ブルゲンラント州を中心とした赤ワインが注目され、ツヴァイゲルト(Zweigelt)、ブラウフレンキッシュ(Blaufränkisch)などの地場品種を中心とした赤ワインの生産量が年々増加している。世界各国より「確かな品質を持つワイン」として認知され、近年さらに注目が集まっている。世界でも最も高価なワイングラスのメーカーであるリーデル社の本拠地でもある。

岡田壮右さんが経営する店舗情報

 
 
 

「銀座壮石」は、江戸前鮓と江戸野菜を、凛とした雰囲気と下町の温かさを融合したおもてなしのもとで召し上がっていただけるお店です。鮓を中心とした本物の食文化を次世代に伝えていきたいと思っています。

<毎月開催!土曜日ランチワイン会>
食べて飲んで楽しめる会をすることで、少しでもワインと江戸前鮓のマリアージュを知っていただき、楽しんでもらえる人が増えたらという思いで開催しております。お気軽にご参加ください。(ワイン担当 岡田 壮右)

【店名】銀座 壮石(そうせき)
【所在地】東京都中央区銀座5丁目14番14号 サンリット銀座ビルII-2階
【電話番号】03-6228-4659
【営業時間】昼:11:30~14:00 夜:17:00~22:00(ラストオーダー21:00頃)
【定休日】日曜日、祝日 (休日の貸し切り営業はうけたまわります)

お電話でのお問い合わせ

9:30~18:00(土日祝日を除く)