フォルシアクラリオン・エレクトロニクス株式会社
桜井 麗 様
グローバルマインドの理解により、社内コミュニケーションが活発化
今回ご紹介するのは、車載エレクトロニクスのリーディングカンパニー「フォルシア クラリオン エレクトロニクス(FCE)」のジャパンデビジョンです。同社は、クラリオン株式会社として、80年に渡り、日本の自動車メーカーやバス・商用車の事業者に対して、高品質で先進のインビークル インフォテインメント システム(IVI)、運転支援システムを提供し、日本の車載エレクトロニクスを牽引してきました。
2019年3月に、世界的な自動車部品メーカー、フランスの「フォルシア」社グループの一員となり、コックピットエレクトロニクス、ディスプレイ技術、運転支援システムの3つの技術分野を中心に日本でのビジネスのさらなる拡大、持続的成長に向けて、事業展開を加速させています。
研修導入の背景
M&Aによってグローバル企業へと急速に変化
当社は、元々、独立系であり、堅実さを求められるBtoBと、ある程度の柔軟な発想が求められるBtoCを両立させるという、良く言えば自由な社風の会社でした。
それが、2006年に日立製作所の子会社化によって、それまでの社風に日本を代表する大企業の仕組みやカラーが入ったことで大きな変化がありました。
そして2019年。今度は、世界10位の自動車部品メーカー、フランスのグローバル企業、フォルシアの傘下に入ったことでさらに大きな変化を経験しました。 外資系グローバル企業の仕事に対する考え方、仕事の進め方などは、日系グローバル企業ともかなり違いました。
主要部門の責任者が外国人となったこと、会社全体としてグローバルからのオーダーと日本での市場の成果とミッションを両立させるためにあらゆる層に外国人メンバーとのコミュニケーションすなわち、一定以上の語学力が求められることになりました。当初は、語学としての英語研修だけの予定でしたが、キャプランさんからの提案で「グローバルマインドセット研修」を導入するに至りました。
検討プロセス
この度、キャプランさんに研修をお願いすることになった直接のきっかけは、フォルシアから赴任してきた外国人とのコミュニケーションに苦労していたことでした。主要部門の責任者のポストは外国人が占めるようになったため、ホウ・レン・ソウを英語で行う必要が出てきたからです。しかし、彼らの経営判断の材料になるほど流暢に英語でホウ・レン・ソウができる人は少数派。英語が苦手な社員の中には、外国人との接触を避ける傾向すら出てきました。
研修のきっかけは外国人上司とのコミュニケーションの円滑化
きちんとしたホウ・レン・ソウを受けられないのですから、外国人側のストレスも相当なもの。そこで日本人社員にコミュニケーションが取れるぐらいの語学力をつけてほしいという要望が出てきたのです。
ちなみにフォルシアでは、基本的には英語ができない人は、マネージャー層以上には上がれないので、日本に来ているスタッフは、いずれも英語は堪能です。フォルシアはフランス企業のため、社内には、多くのフランス人がいます。昔はフランス人は英語を喋らないというイメージがありましたが、今は違います。英語ができなければそもそも就職できないくらいの必須能力。だから、英語が堪能なフランス人も多くいます。
さらに、7月から社内の公用語は英語になり、英語のスキルアップは全ての社員にとって必須になりました。 現在は、書類も、電子掲示板ツールも、また、相手が日本人じゃない限り、メールや会議も全て英語になりました。
もっとも、それ以前から、英語を使う局面は増えていました。社内の表示は、すでにほとんどが英語でしたし、 メールも半分は英語でした。また、フォルシアから紹介される仕事相手は、皆、日本語ができない人が担当者。このような環境だったので、いずれは英語が公用語になるという覚悟はありました。どうしても英語が苦手な人は、この時点で会社から去っていきました。残った人たちは、公用語が英語になったことに対する抵抗感はなかったと思います。
異例のスピードでの経営統合が招いたさまざまな摩擦
フォルシア傘下に入って、1年以上たちました。一緒にやっていかなければならないのに、外国人同士、日本人同士で固まり、お互い十把一絡げで相手を見る傾向が生まれつつあります。その原因は、経営統合のスピードが速すぎるためかもしれません。
どんな企業でも、独自の文化を持っているので、日本企業同士であっても経営統合すれば、社内はギクシャクするものです。まして海外の企業と一緒になれば、もっとギクシャクするのが普通でしょう。そこで多くの場合、企業文化のすり合わせなどに数年かけ、ゆっくりと一緒になりますが、フォルシアの場合は、わずか1年でカルチャーを統一しようというスピード感で動いていました。
まず、主要な部門のトップは、グローバル基準で業務が遂行できるよう、外国人へと変わりました。また、仕事のプロセス、利用するシステムなども、次々にフォルシア化が進んでいます。たとえば、日本の法律、税金、給与体系などは、特殊で、複雑であると言われています。そのため、グローバルスタンダードのシステムにはのりにくいのですが、まずはグローバルのシステムを導入し、不都合な部分は運用でカバーしていきます。
私たちは、経営統合を加速化するために、フォルシアから優秀な上にアグレッシブなメンバーと一緒に業務を遂行することが求められました。一方、目まぐるしい変化に戸惑う多くの日本人スタッフは、グローバル企業で活躍する人たちの働き方に、萎縮してしまいました。
スピーディーなのは経営統合だけではありません。英語研修についても、「やる」と決めたら、1カ月後には実施。日本企業なら、何カ月も前から計画を立て、いつまでに内容をFIXといった具合に決めるでしょう。日本人は、失敗しないように物事を慎重に進めますが、彼らは、まずやってみて、不具合があれば修正すればいいと考え、とにかく早くとりかかろうとします。こうしたスピード感の違いもカルチャーの違いなのでしょう。
なぜキャプランを選ばれたのですか?
キャプランさんには、クラリオンの本社が渋谷にあった時代から研修をお願いしていたので、まずはお声掛けをさせていただきました。その他にも2~3社お声がけして、見積もりもお願いしたのですが、1カ月という短い準備期間にも関わらず、各自のレベルチェック、また要望に合わせたカスタマイズをしてくれたので、最終的にキャプランさんにお願いすることにしました。スピード重視とカスタマイズというトレードオフのリクエストに応えてくれたのは、キャプランさんだけでした。
成果と今後に向けて
フォルシアクラリオン・エレクトロニクス株式会社 導入事例 概要
- 内容
-
英語研修(6カ月)
- 対象
-
選抜社員
「ネイティブレッスン・セミナー・カウンセリング」を組み合わせた
グローバル人材育成プログラム
発話力向上に焦点を当てた英語基礎力を身に付けるネイティブレッスンのみならず、グローバルビジネスで活躍するためのマインドセット講座、自主的な英語学習法の習得セミナー、中間カウンセリングなどを組み合わせたグローバル人材育成プログラムを実施。ハイブリッド形式の学習法により受講者個々の英語レベルに合わせたゴール設定やスキルアップの進捗管理、継続的な学習スタイルの定着を実現。
-
グローバル企業で働くことの素養を身に付ける
-
自身が継続できる英語自己学習法を実習を通じて習得
-
英語の発話基礎力をビジネスシーンに分けて体系的に学ぶ
-
各自の最終的なゴールを再確認
-
英語でディスカッションを行い、その結果をプレゼンする
研修タイムラインと実施メニュー
<インタビュー:2020年10月/編集:2020年12月>
研修に関するお問い合わせ