2023年10月、キヤノン株式会社では「新しいキヤノン」の発信をテーマに、8年ぶりとなる展示会『Canon EXPO 2023』を開催されました。事業ポートフォリオを大転換したキヤノンの技術や未来を発信するこの展示会では、最前線で製品・サービスや技術について技術者自らが「説明員」を務めることが重要なコンセプトでした。今回、EXPOの成功に向けてパソナHRソリューションの接遇マナー研修を導入され、1年かけて900名もの技術者を説明員へ養成するプロジェクトを推進された研修の内容とその背景、成果や評価、そして今後の人材育成ビジョンについてキヤノン株式会社 人事本部 人材・組織開発センターの梅本様、木俣様にお話を伺いました。
真のエクセレントカンパニーを目指し、戦略的大転換を推進
――まずは、貴社の事業内容について教えてください。
- 梅本様
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キヤノンは、独自の光学技術や画像処理技術を産業用の機器に応用し、幅広い産業分野のニーズに応える製品を展開しています。カメラや複写機といったイメージをお持ちの方も多いのではないでしょうか。
近年では、AIやDXといった時代の要請に応じながら、世界中で親しまれ尊敬される真のエクセレントカンパニーを目指し、中長期経営計画である「グローバル優良企業グループ構想フェーズVI」の下、「戦略的大転換」を推し進めています。具体的には、プリンティング、イメージング、メディカル、インダストリアルの4つの事業を核としたBtoBビジネス中心の事業ポートフォリオに入れ替えました。
――まさに大転換期の最中なのですね。
そうした中で、人材育成に対するポリシーについてもお聞かせください。
- 木俣様
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「戦略的大転換」に伴い、事業競争力を高めイノベーションを創出するために、各事業・グループ会社がもつ技術や人材の連携を深めています。特にソフトウェア開発の需要拡大を背景として、ソフトウェア技術者を育成する研修施設「CIST(Canon Institute of Software Technology)」を東京・大田区の本社近くに立ち上げました。
また、人的資本経営の重要性が増す中で、社内での人材流動性を高めるべく、職種転換を伴う「研修型キャリアマッチング制度」も開始しています。
技術者たちが自身の言葉で製品への思いや開発背景を説明する展示会を目指して、接遇マナー研修を導入
――今回、パソナHRソリューションの接遇マナー研修を導入いただきましたが、まずは研修が必要だと考えた背景についてお話しいただけますか。
- 梅本様
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キヤノンでは2023年10月、「Canon EXPO 2023」(以下、EXPO)を開催しました。事業ポートフォリオを大転換したキヤノンの技術や未来について発信するグループ最大の展示会で、2015年以来8年ぶりの開催でした。そこでは、従来とは大きく異なるポイントがありました。それは、展示会で製品・サービスや技術について説明をする「説明員」を、キヤノングループの技術者が務めることです。
お客さまにわかりやすく説明をするには、高いレベルの接遇マナーが不可欠です。しかし、これまで技術者の多くは接遇マナーの研修を新入社員時に受講して以来、ほとんど受けたことがありませんでした。そこで、説明力とホスピタリティを習得するためには、しっかりとした外部講師による研修が必要だと判断しました。
――なぜ、説明員を技術者の方が務めることになったのでしょうか。
- 梅本様
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技術の進化のスピードが早く複雑化していることが一番の理由です。技術に加え、製品・サービスへの思い、開発の背景、将来性について一番語れるのは、その技術を担当する技術者に他なりません。だからこそ今回は、社員が展示の最前線で説明をすることにこだわりました。
また、EXPOにとどまらず、その先の営業活動も見据えた判断でもありました。技術が複雑化する中、今後は技術者が営業と共に最前線に出る機会も増加する可能性も考えられます。将来のセールスエンジニア育成につながることを想定し、今回の研修を実施しました。
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