個人と職場でチャレンジ!タイムマネジメント力アップで働き方改革

2016年4月「女性活躍推進法」が施行され、提出した行動計画の実行はまさにこれからが本番というときではないでしょうか。そこで、7~9月に「女性社員の意識改革」「管理職の意識改革」「働き方改革」と昨今の課題である「3つの改革」をテーマとした研修体験セミナーを3回シリーズで開催しました。今回は第3回「働き方改革 -個人と職場でチャレンジ!タイムマネジメント力アップで働き方改革-」のセミナーレポートをお届けします。

生産性が高いとは 定時帰宅、残業0ではない

女性活躍推進研修体験セミナー

育児や介護を抱えながら 社員が働き続けるためには、長時間労働の是正が不可欠です。現在、日本の長時間労働者数は先進国で第1位、決して労働生産性が高いとは言えない状況で、『働き方改革』が第3次安倍改造内閣の最大のチャレンジと発表されています。男性社員も含め日本全体の働き方の改革が必要不可欠という流れになってきました。

今回のセミナーでは、短時間で最大の成果を出す3つのステップの中で、個人と職場に焦点をあてた内容を紹介しました。

  • 個人レベル:個人の力を最大化する

  • 職場レベル:稼ぐチームに成長させる

  • 組織レベル:会社の制度を変える

まず前提の確認として、労働生産性が高いとは、定時帰宅を推奨すること=残業0にして早く帰ることではありません。より少ない資源(人、モノ、金、時間)で、多くの成果(売上・利益アップ)を実現することです。いつのまにか定時帰宅や残業0施策が目的になっている、手段が目的化していませんか。

時間の使い方のクセを知る

個人レベルでは、ご参加者自身が普段の時間の使い方を振り返り、時間の使い方のクセを分析してみました。どのような業務に時間を使っているのか“見える化”してみると「無駄な業務に多くの時間を費やしている」「種まきの時間や未来に繋がる時間がほとんどない」などの気づきがあったと声があがりました。

また朝・昼・夜、24時間単位で自分自身のバイオリズムを把握し、最も仕事がはかどる時間帯はどこなのか、タイムマネジメント力を磨くテクニックを紹介しました。

管理職としてのタイムマネジメント実践法

職場レベルでは、個人レベル同様、チームでやっている業務の時間を分析し、やらない仕事の見極め方や仕事の進め方の改善方法を紹介しました。

しかし、チームで働き方改革を進めようと何かを変えようとしたとき、必ず変化を恐れるメンバーがいます。その時は新しい手法に慣れるまで期間を設ける、新しい手法で3ヶ月間トライしてみて、もしうまくいかなかったら前の手法に戻してもいいとオプションを与える、評価体系も合わせて変えるなどの対処法で改革が進めやすくなります。

働き方改革 実践の壁を乗り越えるには

質疑応答の場面ではご参加者から活発にご発言いただき、秋山講師が事業会社に在籍していた時の経験談を基に回答しました。

秋山講師は過去、海外で時差のあるメンバーと働いたり、介護を抱えながら在宅勤務で働く部下を持ったり、時間制約のある部下のマネジメントを経験しています。また時間生産性の高い働き方へシフトするために評価・賃金体系の変更も含めて改革をしています。

「経営陣は働き方改革という方針を掲げているが、現場の社員との意識のギャップがあり思うような成果を出せていない、どうしたらいいか」という質問への回答として、「現場の社員に腹おちさせるような表現に変える、管理職が翻訳して伝える」。また、「管理部門や営業部門では取組みやすいが、研究開発など評価しにくい職種ではどうするか」という質問には、「業務プロセスと評価軸を明確にして時間をかけて社員を納得させ評価を変えていった」など、実例を用いての解決法を紹介しました。

実践事例のご紹介

秋山講師×パソナキャリアママチーム

最後に、働き方改革の実践事例として、パソナでママ社員のみで結成した営業チーム:キャリアママチームについて(前の記事参照)、創業メンバーの一人である、パソナ 関東第1営業部 佐藤友美副部長より事例を紹介しました。

人材派遣事業の営業は業務性質上、夕方から忙しくなるため、夜が遅い、残業しがちというイメージがあります。育児との両立で残業ができないという時間制約があるママ社員の営業メンバーが従来の働き方を変えて、前身チームから約2倍の成約率の高いパフォーマンスを上げた事例です。

その時の工夫として例えば、仕事の優先順位をチームで判断する、担当のみならずチームで情報をシェアする、顧客担当をダブル担当制にする、家でも仕事ができる環境整備をすることなどが挙げられましたが、何よりも「限られた時間の中でも高いパフォーマンスを発揮できることを証明しよう」というメンバーの高いモチベーションが工夫や変革を生んだと言えます。秋山講師からのまとめでは「同じママという環境だからこそ生まれる一体感が成功につながったのでは?」とあり、ご参加者からも共感をいただきました。

<セミナー開催:2016年9月9日(金)>

講師 秋山 ゆかり氏

講師 株式会社Leonessa 代表取締役社長
経営コンサルタント

秋山 ゆかり氏

イリノイ州立大学在学中に新規事業を立ち上げ、インターネット・エンジニアのキャリアを重ねる。ボストン・コンサルティング・グループ(BCG)の戦略コンサルタント、GE Internationalの戦略・事業開発本部長、日本IBMの事業開発部長等を歴任。独立後は事業開発やグローバル人材育成を支援。女性活躍推進では、理系女性社員の支援に強み。日経ビジネスオンライン「秋山ゆかりの女性キャリアアップ論」がアクセス数1位になる等 人気の記事を連載中。

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